【現代文の学習についての頻出Q&A】 

Q.○○大学志望なんですが、何をすればいいですか? 

A.まず受験勉強を始めたら、一番最初に過去問を買ってきて
 1年分くらい時間を計って自分で試しにやってみてください。
 そうすれば、その大学はどういう傾向の問題が出るか、難易度はどの程度か、
 自分の力はどの程度か、どの部分の力が自分には足りないかなどがわかって、
 対策が立てられるようになります。

Q.現代文対策はいつ頃からすればいいでしょうか?直前でも大丈夫でしょうか? 

A.現代文はそう簡単に一朝一夕で身につく科目ではありません。
 直前にまとめてやろうと思ってもそう簡単にできるようにはなりません。
 少しずつでもコンスタントに勉強を積み重ねていくことが
 現代文の力をつけるためには重要です。

Q.小説などの文学の本を読むと現代文ができるようになりますか? 

A.文学と入試現代文は別物です。活字慣れするという点を除いては、
 現代文の成績上昇には直接影響しないでしょう。むしろ読むとしたら、
 新書系(岩波新書、中公新書、講談社現代新書、ちくま新書etc.)や
 学術文庫系(講談社学術文庫、ちくま学芸文庫etc.)のほうが受験向きな気がします。
 もっとも、これらの本も内容的には結構ハードなので、
 受験期にこういう本を何冊も読むのは時間的にキツイかもしれません。
 手っ取り早くたくさんの文章を読みたいというのなら、適当な入試問題集を用意して
 それらの文章を読んでみるという手もあります。

Q.新聞の社説やコラムを読むと現代文ができるようになりますか? 

A.新聞の社説は問題が時事的過ぎるうえに文章間の接続関係が曖昧なので、
  活字慣れするという点を除いては、現代文の成績上昇には直接影響しないでしょう。
  現代文のために新聞を読むのなら、学者や評論家がまとまった文章を書くことの多い
  夕刊の文化欄の記事が大学入試現代文の傾向に近いです。

Q.現代文は復習をどれだけすればいいですか?何度も復習した方がいいのでしょうか? 

A.古文・漢文は復習の占める意味が大きいですが、現代文の場合は予習がきわめて重要です。
  復習よりも、新しい問題にコンスタントに取り組んでいくことが大事です。
  現代文で復習するとするなら、問題集をやり終わったあとなどに
  自分の解いた問題の解答のプロセスをざっとたどる程度で十分です。

Q.じゃあ、じゃんじゃん新しい問題をたくさんやればいいんですね? 

A.ひたすら盲目的に量だけこなせばいいというわけでもありません
  (もちろん、ある程度の量の問題をこなすことは最低限必要ですが)。
  自分の解答のプロセスを意識化しながら一つの問題ごとにじっくり考え納得いく答えを出し、
  それから解答・解説を見て、自分の解答のプロセスと正答に至るための解法のプロセスを検証し
  自分のプロセスを修正していく …(繰り返し) 
  …こうした過程の積み重ねが現代文の成績をあげるためには重要です。

Q.現代文の予習では、最初から時間制限を設けて解いた方がいいのでしょうか? 

A.最初のうちはとにかくどれだけ時間をかけてもいいので、
  自分の頭で考えて考えて考え抜くことが重要です。
  分からない語句があったら調べ、客観問題では必ず自分で各選択肢を理由付け、
  記述問題では自分の言葉をたえず推敲する、というふうにとことんこだわってください。
  仮に最初は1問に3時間、4時間かかったとしてもいいですので、
  とにかく最初から最後まで納得いくまで自分の頭をはたらかせて解いてみることが大事です。
  方法論習得系の参考書をやる際は、みんなそういう感じでやるようにしてください。
  それらが終わって方法論を習得したあとは
  各自過去問や演習問題集に取りかかっていくことになりますが、
  その際も最初のうちは納得いくまで時間をかけて解いてください。
  だいぶ読むのにも設問を解くのにも慣れてきたら、
  そこから徐々に設問を解く時間を短くしていきます。
  個人差がありますが、時期でいうと2学期中盤あたり以降が目安でしょうか。
  最初は問題を解く精度をとにかく重視し、スピードアップはそれができてから、という
  順番を守ることが鉄則です。

Q.漢字問題のために漢字練習を必死でやろうと思うのですが、どうでしょうか? 

A.漢字問題というのは、配点が低いのにそのカバーする範囲が広いため、
  かけた勉強時間に対する得点効率がきわめて悪い分野です。
  限られた時間しかない受験期に必死に漢字練習をするのはお勧めできません。
  ただし、対義語関係にある熟語や四字熟語、慣用句などは
  穴埋めなどの読解問題に直接響いてくるので、
  その部分は用語集などで意識してカバーしていくようにすべきです。
  また、基本的な語彙力がなく文章を読むことすら辛い状況の人(高1の人や、現代文が苦手な人)は、
  漢字練習帳を1冊仕上げるなりして語彙力を高める努力をした方がいいです。

Q.文学史の勉強ってやったほうがいいですか? 

A.文学史の単発問題それ自体の配点は微々たるものですが、
  古今の文学作品について論じた文章である
  古典文芸論や日本近代文芸論の文章が出題された時は、
  ある程度文学史的な知識を持っていたほうが有利かもしれません。
  そういう意味で、ある程度は日本人の教養として文学史の知識を持っておくべきでしょう。
  文芸論が頻繁に出題される大学を受験する人は
  薄めの参考書を1冊やっておくといいかもしれません。
  また、早稲田や関西学院では現古融合問題(古典文芸論)が出題されます。
  これらの大学ではかなり深い部分まで問題で突っ込んで訊かれるので、
  背景知識として文学史の知識を意識して押さえておいた方が有利と思われます。

Q.現代文用語集を用意した方がいいらしいですが、そんなに語彙力って大事なのですか? 

A.現代文というのは、専門書を読んで内容を的確に理解したり、発表するための文章を書いたりという、
  大学に入ったうえで必要となるリテラシー能力(読み書き能力)の基礎を判断するための科目です。
  文章中に出てくる言葉の意味がわからないのでは内容を理解できるわけがありませんし、
  穴埋め問題や記述問題などでもこうした語彙力は直接に得点を左右することになります。
  また、評論用語の意味を覚える(理解する)ということは、現代文の問題文の背景となっている
  この現代社会の状況を理解することにも繋がります。例えばいまの現代文入試問題では
  思想・哲学系の文章や近代批判の文章が頻繁に出題されますが、
  それらの文章を理解するためには、そこで用いられてる独特の用語の意味や背景知識を
  理解しておくことが重要になります。

Q.ここに出ている方法論習得用の参考書に手を出そうとしてみましたが、 

  文章や解説に書いてあることが全然理解できませんでした。どうすればいいでしょうか?
A.現代文の問題を解くうえで、やはりある程度の語彙力と読書量は、
  基礎的体力として必要と言わざるをえません。
  「問題集系の参考書に手を出してはみたが、文章に何が書いてあるか、解説に何が書いてあるか、
  全然理解できなかった」という人は、そこからさらに1歩下がって、
  基礎的な語彙力・読書量を養うところから始めた方がいいかもしれません。
  現代文用語集や漢字問題集で語彙力を養うとともに、
  国語の教科書を教科書ガイドつきで読んだり、解説の詳しい現代文アンソロジー
  (例えば、『高校生のための批評入門』(筑摩書房)や『理解しやすい現代文』(文英堂)など)
  を読んだりして、活字を読むことに慣れるところから始めた方がいいかもしれません。

Q.理系でセンター試験しか現代文を使わないのですが、対策はどうすればいいですか? 

  過去問だけやってればいいですか?

A.センター現代文って、かなり厄介な教科です。
  実はセンター現代文は、問題文自体の難易度では
  そこらの大学の2次試験の現代文並み、あるいはそれ以上の難易度の高さなのです。
  というのも、センター試験はその特性上全問マーク客観式問題であることを強いられるので、
  出題者は問題の難易度を上げるために、硬くて読みづらい文章を問題文として採用するからです。

  現代文が苦手な人がただ漫然とセンター過去問だけやってても、問題文の内容が理解できず、
  結局いい加減に適当に選択肢を選ぶことを繰り返すだけに終わってしまい
  全然現代文の力がつかない可能性があります。

  もし必要性を感じたならば>>4-5にあるような参考書を使って方法論や知識を身につけ、
  次に『きめる!センター国語T・U 現代文』(学研)や『田村のセンター試験現代文』(代々木ライブラリー)
  といった参考書でセンター試験の特徴とその解法を学んだ上で、
  センター過去問に取り組んでいったほうが、成績の上昇に結びつきやすいと思います。

  もう一度繰り返しておきますが、センター試験現代文は皆さんが思ってるほど甘い教科ではありません。

Q.現代文の学校の授業ってどう活用したらいいの? 

A.学校の授業の現代文と入試現代文とは、別の教科と考えた方がいいほどその性格が異なります。
  学校の現代文は先生の言うことをノートにとってそれを復習しておけば定期考査でいい点が取れますが、
  入試の現代文は試験会場で出会う未知の文章を自分の力だけで読み解かなければなりません。

  そういうと、
  「学校の現代文の授業は入試現代文に直接役に立たないのだから、真面目にやらなくてもいいや」
  と言う人が出るかもしれませんが、それは行き過ぎです。
  というのも、学校での現代文の授業も、無意識のうちに読書量の蓄積や語彙量の蓄積となって
  入試現代文をやるうえでの基礎的体力になってる部分が確実にあるからです。
  高1・高2で現代文の授業の手を抜いていると、高3になってからいざ入試現代文の勉強を始めようとしても
  それまでの勉強不足の埋め合わせをするのに一苦労することになります。

  ムキになってやる必要はありませんが、高1・高2では
  学校の授業の方も教科書ガイドを用意しつつ適度にしっかりやっておくことが必要でしょう。

  あと、東大・早稲田などの難関大学をねらうつもりの人は
  高3以前の若干早いうちから入試現代文に慣れておいたほうがよいと思われます。(>>3-5参照)
  でも、高1・高2のうちに読書を積んでおくことも怠りなく。
  高3になってからは読書に時間をとることが難しくなるでしょうから。

Q.現代文は復習をどのようにやればいいですか?何度も復習した方がいいのでしょうか? 

A.現代文の復習のやり方は、問題集をやり終わったあとなどに
  自分の解いた問題の「解答のプロセス」をたどるようにしましょう。
  「答え」より「答えに至るプロセス」が大事なのです。
  皆さんは、入試会場で出会う未知の文章を
  その場で独力で読み解けるようにならないといけないのですから
  一度解いた文章の答え「だけ」を覚えても仕方ないからです。
  プロセスを自分がモノにできるまで、しっかり復習しましょう。

  もっとも、古文・漢文で復習の占める意味が大きいのに比べると、現代文の場合は予習の比重が大きいとは言えます。
  復習は復習で大事なのですが、新しい問題にコンスタントに取り組んでいくことが現代文という教科では大事です。

<前スレで推奨する人の多かった勉強方の一例>
参考書
<おもな現代文用語集についての短評>
【現代文の学習についての頻出Q&A】1
【現代文の学習についての頻出Q&A】2
【早稲田レベルを目指す人への勉強方の一案】
【現代文(特に評論)が苦手な人へ】
【質問者の皆様へ】

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